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大工のブログ | 中島 実千留
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2022/05/17

刃物を研ぐこと

こんにちは、大工の中島実千留です。

大工道具の手入れの一つに、
刃物を研ぐという作業があります。
主にかんなやのみを研ぎます。

刃物をとぐことは、
大工にとって基本的なことのひとつです。
よく切れることが重要です。
刃物がピシッと研げなければ、
道具は使えません。

自分は訓練生だった頃から
研ぎを学び始め、
1年かけて研ぎを練習していました。
よく先生を捕まえては
どこがいけないか見てくれと、
指導をお願いしていました。
それだけ研ぎは時間をかけて体で覚えていく大切な作業です。

例えば、
よく手入れして、
入念に研ぎあげた刃のかんなで
削った木の表面は水を弾きます。

電気かんなで削ると、
目では見えないですが、
わずかな毛羽立ちから水を吸収してしまいます。

水を弾くということは、
カビにくい、腐りにくい。
ということはその材料は長持ちします。
手をかけることで
違いが生まれるんですね。

かんなを使う機会も昔と比べて
だいぶ少なくなったようです。
柱を見せない大壁式の家も増えています。
昔は手道具で作業していたことも、
今では電気を使った道具を使うことが
あたりまえです。
その方が圧倒的に早いからです。

でも、
ぜひその触り心地の違いを体験してほしいです。
かんなをかけた木は、
手触りが本当に気持ちがいい。
すべすべです。

電気道具の良さ、
手道具の良さ、
それぞれ理解して適切に使えるよう
経験を積んでいきたいです。

この記事を書いたスタッフ
中島 実千留
大工
中島 実千留(なかしま みちる)

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