豊田市内の閑静な住宅街に、堂々とした平屋が完成しました。
I様邸は、築120年を超える古民家を解体・再生した、まさに「記憶を継ぐ家」です。
解体前の古材を丁寧に取り外し、工場へ持ち帰って加工。台所には台所で使われていた材料を、玄関には玄関にあった材料を、
できる限り同じ場所に据え直しました。
「ここから嫁いでいった方や、ここで育った方が来られた時に、あの木だとわかってもらえる。それが一番大切なことでした」と奥様は語ります。
解体作業には最初から大工が入り、使える部材を一本一本見極めながら慎重に外していきました。
長尺の材は現場で加工し、保存状態の良い古材はそのまま構造材や化粧材として活用。あまりにも硬く締まった木が多く、加工には相当な時間と手間がかかったといいます。
大黒柱として使われた丸太は、途中で方針を変更し化粧材として活かすことに。
元々の心材を削り直した4本の柱が、空間の中心にどっしりと立っています。
120年の歴史を、次の世代へ。古材に宿る記憶を繋ぐ、平屋の古民家再生。
I様邸/豊田市
先代から受け継がれた古材が、新しい空間に息づく
ゆったりとお庭を望むリビングで、家づくりの思い出を語ります
当時の図面を見ながら「だいぶ変更したよね」と思い出すご主人
「今のうちに」—きっかけは、親の施設入居と義弟の一言
リフォームを本格的に考え始めたのは、令和5年頃のこと。ご主人のご両親が施設に移ったタイミングでした。
「親がいると、なかなか大きな工事はしにくい。今かもしれない、と思いました」とご主人。
設計士は、ご夫婦にとって縁のある方でした。奥様のお母様が生前「もしリフォームするなら、この方に声をかけてね」と伝えていたのです。
奥様の妹様の旦那様、血こそ繋がっていないものの、近しい親族です。
「やってくれる?」と打診すると、「もちろんです」と快諾。その一言が、プロジェクトの始まりでした。
そして、その設計士の紹介で水嶋建設と出会います。「古民家再生の経験がある、地元の信頼できる工務店に頼みたかった」というご主人の想いと一致し、依頼を決断。その後、水嶋建設のYouTubeチャンネルを見るようになったご夫婦は、社長の「地元の材料を使う」という言葉に強く共感したといいます。「ピンとくるものがあって、ここで間違いないと思いました」と奥様は振り返ります。
「親がいると、なかなか大きな工事はしにくい。今かもしれない、と思いました」とご主人。
設計士は、ご夫婦にとって縁のある方でした。奥様のお母様が生前「もしリフォームするなら、この方に声をかけてね」と伝えていたのです。
奥様の妹様の旦那様、血こそ繋がっていないものの、近しい親族です。
「やってくれる?」と打診すると、「もちろんです」と快諾。その一言が、プロジェクトの始まりでした。
そして、その設計士の紹介で水嶋建設と出会います。「古民家再生の経験がある、地元の信頼できる工務店に頼みたかった」というご主人の想いと一致し、依頼を決断。その後、水嶋建設のYouTubeチャンネルを見るようになったご夫婦は、社長の「地元の材料を使う」という言葉に強く共感したといいます。「ピンとくるものがあって、ここで間違いないと思いました」と奥様は振り返ります。
図面に刻まれた、たくさんの書き込み跡
庭に面した大きな窓から、ようやく完成したお庭を眺めます
クレーンも使い、チーム一丸でどんどん解体していきます
梁の1本1本まで、木材の様子を確かめながら、丁寧に
「法事ができる家」から広がった、大きな平屋の夢
当初の構想は、「仏壇を置ける部屋があれば十分」というシンプルなものでした。しかし法事には30〜40人が集まることも。
「全員がゆったり座れる場所を」と考えるうちに、間取りはどんどん広がっていきました。
建て替えにあたって強くこだわったのが「平屋」であること。「2階建てに住んでいましたが、だんだん2階に上がるのが億劫になってきて。今使っているのはリビングと寝室だけ。だったらこの広い空間ひとつで暮らせればいい、と思いました」とご主人。
仏間の位置も、息子さんの一言から大きく変わりました。「子どもの頃、暗い廊下の先にある仏間が怖かった」という言葉をきっかけに、仏間を移動。向きは東または南が望ましいとされる中で、近くのお寺と同じ方角にあたることがわかり、場所の変更が決まりました。
この変更によって設計はほぼゼロから描き直しになりましたが、結果として仏間は光が差し込む明るい空間となり、家全体の動線も自然な形でまとまりました。
「全員がゆったり座れる場所を」と考えるうちに、間取りはどんどん広がっていきました。
建て替えにあたって強くこだわったのが「平屋」であること。「2階建てに住んでいましたが、だんだん2階に上がるのが億劫になってきて。今使っているのはリビングと寝室だけ。だったらこの広い空間ひとつで暮らせればいい、と思いました」とご主人。
仏間の位置も、息子さんの一言から大きく変わりました。「子どもの頃、暗い廊下の先にある仏間が怖かった」という言葉をきっかけに、仏間を移動。向きは東または南が望ましいとされる中で、近くのお寺と同じ方角にあたることがわかり、場所の変更が決まりました。
この変更によって設計はほぼゼロから描き直しになりましたが、結果として仏間は光が差し込む明るい空間となり、家全体の動線も自然な形でまとまりました。
みんなで集まる和室は、雪見格子でたっぷり光を取り込みます
奥にある仏間。建築中に仏壇のメンテナンスを専門業者に依頼されたとのこと
キッチンの位置も然り。設計士の妻でもある、奥様の妹様のアドバイスで、庭が見渡せる場所にキッチンを設置することに。「毎日立つ場所だから、景色がいい方がいい」というシンプルな理由でしたが、外からの視線を遮るガラスを採用することで、プライバシーへの懸念も解消されました。
冷蔵庫はパントリーの奥に配置して来客から見えないように配慮。
「冷蔵庫が見えると一気に生活感が出る」という奥様のこだわりから生まれた動線設計で、キッチンはすっきりとした表情を保っています。
キッチンのタイルは、色や大きさを何度も変更し、完成直前まで不安が続いたといいます。
「貼り終わったと聞いた時、怖くて見に行けなかった」という奥様。でも実際に目にした瞬間、その不安は吹き飛びました。
タイルは光の当たり方で色味がまったく変わるため、サンプルを見ただけでは実際の雰囲気をつかみにくいのが難点。古材や無垢材が並ぶ和の空間に対して、現代的なタイルがどう馴染むかを何度もシミュレーションした末に辿り着いた選択でした。
キッチン背面はもともとタイル張りの予定でしたが、最終的にパネルへと変更するなど、最後まで妥協なく検討が続きました。
冷蔵庫はパントリーの奥に配置して来客から見えないように配慮。
「冷蔵庫が見えると一気に生活感が出る」という奥様のこだわりから生まれた動線設計で、キッチンはすっきりとした表情を保っています。
キッチンのタイルは、色や大きさを何度も変更し、完成直前まで不安が続いたといいます。
「貼り終わったと聞いた時、怖くて見に行けなかった」という奥様。でも実際に目にした瞬間、その不安は吹き飛びました。
タイルは光の当たり方で色味がまったく変わるため、サンプルを見ただけでは実際の雰囲気をつかみにくいのが難点。古材や無垢材が並ぶ和の空間に対して、現代的なタイルがどう馴染むかを何度もシミュレーションした末に辿り着いた選択でした。
キッチン背面はもともとタイル張りの予定でしたが、最終的にパネルへと変更するなど、最後まで妥協なく検討が続きました。
仕上がりが不安だったというキッチン壁面のタイルは、イメージ以上の仕上がり
新しいキッチンにも、ずっと使い続けていた茶器が自然に馴染みます
変更に次ぐ変更。それも全て「意味のある変更」でした
家づくりの期間中、ご夫婦は何度も仕様を変更しました。YouTubeやルームツアー動画で見たヒノキのウォールパネルや、気になるタイルの写真をスマホで撮っては設計士や担当者にメール。
「もう違うのを考えてたのに、という気持ちだったと思います」と奥様は苦笑いしながらも、「でもいつも前向きに受け止めてもらえた」と語ります。
テレビ背面のウェーブ型ヒノキパネルは、壁掛けテレビの配管を前に出すという構造的な課題も同時に解決する、機能美を兼ねた提案でした。
この家は真壁(しんかべ)仕上げが基本のため、壁内に大きな配管を通すことが難しい構造でした。ヒノキパネルを壁面から少し前に出すことで配管スペースを確保するという、意匠と構造を両立させたアイデアです。
こだわりは、パッとみただけでは気づかないほどの細部にも。例えば、壁内に埋め込んで埃が溜まらない仕様にした巾木。
巾木を壁内に収める仕上げは施工の手間がかかる分、大工の技術が問われる箇所でもあります。
「掃除が楽になるだけでなく、空間がすっきり見える効果もある」と水嶋建設の担当者も説明するように、細部への配慮が全体の美しさを支えています。「掃除が少しでも楽になるように」という奥様の生活感へのこだわりが、随所に反映されています。
「もう違うのを考えてたのに、という気持ちだったと思います」と奥様は苦笑いしながらも、「でもいつも前向きに受け止めてもらえた」と語ります。
テレビ背面のウェーブ型ヒノキパネルは、壁掛けテレビの配管を前に出すという構造的な課題も同時に解決する、機能美を兼ねた提案でした。
この家は真壁(しんかべ)仕上げが基本のため、壁内に大きな配管を通すことが難しい構造でした。ヒノキパネルを壁面から少し前に出すことで配管スペースを確保するという、意匠と構造を両立させたアイデアです。
こだわりは、パッとみただけでは気づかないほどの細部にも。例えば、壁内に埋め込んで埃が溜まらない仕様にした巾木。
巾木を壁内に収める仕上げは施工の手間がかかる分、大工の技術が問われる箇所でもあります。
「掃除が楽になるだけでなく、空間がすっきり見える効果もある」と水嶋建設の担当者も説明するように、細部への配慮が全体の美しさを支えています。「掃除が少しでも楽になるように」という奥様の生活感へのこだわりが、随所に反映されています。
蔵に眠っていた家具が家の至るところに活かされています
古さと、新しさ。新しさの中にも、これから長く愛せるものだけを選んでいます
棟梁の技と、連携の良さが生んだ信頼
工期は解体から竣工まで約1年半。上棟だけで1週間を要するほどの規模でした。
真夏の作業が続く中、物置きにエアコンや冷蔵庫を設置して使ってもらったことも、工事を支えた温かいエピソードのひとつです。
メインの大工は、水嶋建設の先代が育てたお弟子さんである棟梁をはじめ3名体制。70歳を超えてなお現場の屋根に上り、その場で木材を削り直す姿に、奥様は施工中ずっと隣の家の窓から見入っていたといいます。「あの動きはすごかった。本物の職人さんだと思いました」。
棟梁はプレカット(工場加工済み材)に頼らず、現場でのみやカンナを使いながら一本一本仕上げていく、昔ながらの大工仕事を今も実践しています。規格外の古材を扱うには、こうした手仕事の技術が不可欠。
「組み立て屋ではなく、本物の大工がいる会社に頼んで本当に良かった」とご主人は語ります。
そして、現場担当の親身な対応や、設計士と施工会社の連携の良さも、ご主人が特に印象に残った点。
「遠慮なく提案してもらえて、それがとてもありがたかった」と話します。
コロナ禍以降はウェブ会議も活用しながら、遠方の設計士ともスムーズに情報共有。
真夏の作業が続く中、物置きにエアコンや冷蔵庫を設置して使ってもらったことも、工事を支えた温かいエピソードのひとつです。
メインの大工は、水嶋建設の先代が育てたお弟子さんである棟梁をはじめ3名体制。70歳を超えてなお現場の屋根に上り、その場で木材を削り直す姿に、奥様は施工中ずっと隣の家の窓から見入っていたといいます。「あの動きはすごかった。本物の職人さんだと思いました」。
棟梁はプレカット(工場加工済み材)に頼らず、現場でのみやカンナを使いながら一本一本仕上げていく、昔ながらの大工仕事を今も実践しています。規格外の古材を扱うには、こうした手仕事の技術が不可欠。
「組み立て屋ではなく、本物の大工がいる会社に頼んで本当に良かった」とご主人は語ります。
そして、現場担当の親身な対応や、設計士と施工会社の連携の良さも、ご主人が特に印象に残った点。
「遠慮なく提案してもらえて、それがとてもありがたかった」と話します。
コロナ禍以降はウェブ会議も活用しながら、遠方の設計士ともスムーズに情報共有。
蘇る梁。寸分狂わずに再生
現場で一ヶ所づつ、丁寧に木材を加工
元々あった梁の表面を削り、欠けた部分は埋め、再生
その家に元々あった建具と、新しい素材の融合
次世代へ。家が繋ぐ、家族の物語
現在は神奈川に住む息子さん夫婦も、家づくりの節目節目に参加。
キッチンや家具の最終選択にも関わってもらい、「あなたたちが選んだ家だ」という意識を持ってもらうよう工夫しました。
「関わったかどうかで、愛着の持ち方が変わると思って」と奥様。
120年の歴史を持つこの家は、古材という形で記憶を引き継ぎながら、新しい時代の暮らしへと生まれ変わりました。
全館空調と高気密仕様を取り入れることで、古民家の風情を残しながらも現代の快適さを両立。古い家特有の寒さや隙間風とは無縁の、四季を通じて心地よい住まいが実現しました。
「本当にこだわり抜いた現場でした」という言葉が、この家への深い愛着を物語っています。
「水嶋さんにお願いして、100%以上に満足しています。皆さんにも自信を持っておすすめできます」
そう語る奥様の笑顔が、この家の完成を何より雄弁に伝えていました。
キッチンや家具の最終選択にも関わってもらい、「あなたたちが選んだ家だ」という意識を持ってもらうよう工夫しました。
「関わったかどうかで、愛着の持ち方が変わると思って」と奥様。
120年の歴史を持つこの家は、古材という形で記憶を引き継ぎながら、新しい時代の暮らしへと生まれ変わりました。
全館空調と高気密仕様を取り入れることで、古民家の風情を残しながらも現代の快適さを両立。古い家特有の寒さや隙間風とは無縁の、四季を通じて心地よい住まいが実現しました。
「本当にこだわり抜いた現場でした」という言葉が、この家への深い愛着を物語っています。
「水嶋さんにお願いして、100%以上に満足しています。皆さんにも自信を持っておすすめできます」
そう語る奥様の笑顔が、この家の完成を何より雄弁に伝えていました。
Q&Aお客様に聞きました
- 水嶋建設で家を建てると決めた理由は何ですか?
- 地元の会社で距離的に安心だったこと、そして古民家再生の技術力がある会社に頼みたかったことが大きな理由です。紹介していただいた後、YouTubeで社長の言葉を聞いて「地元の材料を大切にする」という姿勢に強く共感しました。もうここで間違いない、と確信しました。
- 家づくりで大変だったことはありますか?
- キッチンのタイル選びが一番大変でした。和の空間に合うかどうか、色や大きさを何度も変更して、完成するまで本当にドキドキでした。見に行くのが怖いくらい不安でしたが、仕上がりを見た瞬間にすべての不安が消えました。
- 水嶋建設の良いところは?
- 担当者さんをはじめ、設計士さんとの連携がとてもスムーズで、私たちの細かい要望もしっかり受け止めてもらえました。棟梁の技術力はもちろん、「次の世代の大工を育てる」という会社の姿勢にも共感しています。
古民家再生
DATA
-
- 建築場所
- 豊田市
- 家族構成
- 夫婦
-
- 敷地面積
- 913.30㎡(約276.27坪)
- 建物面積
- 249.56㎡(約76.49坪)
-
- 1階床面積
- 238.28㎡(約72.07坪)
- 2階床面積
- -
- 3階床面積
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