COLUMN

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家づくりコラム
2020/01/10

第16回 土産土法


 
 
若い頃、イタリアを旅したことがありました。
 
ローマの、いまはレオナルド・ダヴィンチ国際空港と呼ばれている
フミチーノ空港に降りて、1ヵ月間のイタリア全土を訪ねる旅が始まりました。
旅の目的は“青春の放浪”のようなカッコいいものではなく、
「なにかうまいものを食ってやろう」
はなはだ志の低い動機でした。(志の低さはいまもかわりませんが)
 
季節は初夏。
イタリアでは街を一歩外れると、もうすっかり農村地帯です。
白いホコリの立つ未舗装の道路の左右は
黄金色に熟したデュラム小麦の畑がつづきます。
 
昼食時になったのでレストランを探します。
といっても貧乏旅行ですから、ミシュランの星などもってのほかです。
村はずれの定食屋のようなところに入りました。
“季節のパスタ”を注文すると、主人が「ちょっと待っててくれ」といいます。
 
厨房の後ろの窓に、店の主人が裏山を歩く姿が見えます。
「?」
拙いカタコトのイタリア語が通じなかったのか・・・
とおもっていると、現れた主人の両手いっぱいにみずみずしいアスパラガスが。
「!」
 
日本に戻ってきて「土産土法」という料理法を知りました。
その土地の地形、気候、風土から産まれる食材を、その土地のその季節にとれるものを、
その土地に伝わる調理法で料理して食べること。
ムダがない。ムリがない。
 
「家づくりも同じなんだな」と思います。
その土地で産まれた木を、その土地で暮らす職人たちが、
その土地の気候・風土に合った建て方で家づくりをする。
ムダがない。ムリがない。
 
イタリアの料理人の思いと家づくりの職人たちの技が、2万キロ離れてつながります。

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